●電子回路シミュレータ

 電子回路設計工程の中に電子回路の動作、すなわち信号波形(電圧、電流)、遅れ、消費電力を確認する工程があり、電子回路シミュレータが使われています。
 シミュレータは数値実験のツールです。これによってトランジスタ、ダイオード、抵抗、容量、誘導等を接続した電子回路としての動作・特性を容易に把握することができます。トランジスタや
ダイオード等非線形素子を電子回路シミュレータで扱うためには各素子の電流と電圧の関係式、すなわち素子モデルが必要です。

 本テキストにはMOSFETとダイオードの素子モデルについて記述してあり、また基本的なCMOS電子回路のシミュレーションの例が記載されています。シミュレータを使って実際に電子回路の応答(電圧、電流、消費電力)を確認することでシミュレータの利用方法だけでなく、「CMOS LSI設計の基礎技術」を実感することを本トレーニングの目的としています。

 研修期間は2日間を考慮して作成してあります。

テキスト目次

1.はじめに
2.電子回路設計業務の流れ
3.素子モデル

3.1 線形素子
 (1)抵抗
 (2)容量
 (3)誘導

3.2 非線形素子

3.2.1 ダイオードの素子モデル
 (1)DC特性のモデル
 (2)ダイオードの飽和電流
 (3)PN接合の容量

3.2.2 MOS FET
 (1)MOS容量とシリコンの表面状態
 (2)イオン注入チャネルドーピングと
    スレッショルド電圧
 (3)MOS FETのDC特性

4.CMOS回路のレイアウトと寄生容量
 (1)基準面積当りの各寄生容量
 (2)CMOS2段インバータ回路の寄生容量

5.直流解析と過渡解析

5.1 直流解析
5.2 過渡解析

6.CMOS電子回路のシミュレーション

6.1 配線の応答
 (1)長い配線の信号の遅れ
 (2)遅延回路

6.2 CMOS論理ゲート回路
 (1)CMOS3入力NOR
 (2)CMOS3入力NAND
 (3)CMOS3入力NOR、3入力NAND
    ゲートの立上り、立下り

6.3 CMOS回路のフリップフロップ 
 (1)Dタイプのフリップフロップ
 (2)JKフリップフロップ

6.4 ダイナミック回路
 (1)ダイナミックシフトレジスタ
 (2)ダイナミックNAND回路

6.5 発振回路とマルチバイブレータ
 (1)リングオシレータ
 (2)単安定マルチバイブレータ

6.6 周辺回路
 (1)入力保護回路の過渡応答
 (2)レベルシフタ回路
 (3)電源線、グランド線の過渡応答